裸一貫の創業以来、信頼をギュッとつかんでおいしさ届ける「野上食品」|宮崎県都城市ふるさと納税特設サイト

裸一貫の創業以来、信頼をギュッとつかんでおいしさ届ける「野上食品」

 ここ数年、全国的に牛肉への関心が高まっているのを感じます。宮崎牛をはじめとするブランド牛もそのひとつです。ブランドそれぞれに独自のこだわりがあり、部位によって個性もさまざま。おかげで、楽しみも広がります。

  おいしいお肉の陰には、食肉業界にかかわる方々の努力があることも忘れてはいけません。生産者と消費者をつなぐ中間点となるのが、食肉加工の現場です。

 

 「野上食品」は、「宮崎牛」や「みやざき地頭鶏(じどっこ)」など、食肉の加工をおこなう会社。工場でカットした肉は、自社の店舗で販売もしています。そしてもう一つ、「野上食品」では、新しい試みをすすめてきました。それが、県内初となる熟成肉の販売に向けた取り組みです。

 

【2年半の研究をへて、熟成肉の商品化に成功】

 そもそも熟成肉って、何ですか?
「温度と湿度の管理が行き届いた熟成庫のなかで、30日から40日寝かせた牛肉を“熟成肉”と呼んでいます。肉を熟成へと導く大きなポイントは、微生物です。微生物のチカラがあるから、腐らせず熟成させることができます」
 と教えてくれたのは、社長の野上幸平さん。

 熟成肉の研究をはじめたのは、2年半前から。「ドライエイジング牛肉に特徴的な香気成分に関する研究」を行う宮崎大学の河原聡教授と、熟成庫メーカー、野上食品。この3者による産学連携事業として、プロジェクトはスタートしました。

 ここで採用されているのは、ドライエイジングと呼ばれる製法です。熟成肉は、うまみや香りが凝縮され、ジューシーで濃厚な味わいになります。肉の美味しさを引き出せる一方で、目では見えない微生物の管理には難しさもあります。だからこそ重要なのが、科学の目による検証です。この2年半、サンプルを大学に運び、肉の状態を確認する地道な作業が続きました。

「食べたお客様に何かあったら、大変です。だから販売への規制も多い。一つひとつのハードルを乗り越えて、ようやく来年、販売できそうです」
 科学と努力の成果である熟成肉。発売が待たれます。

 

【職人技で、1日3頭分の牛をさばく】

 工場では、食肉のカットから加工までをおこなっています。牛一頭分の肉の重さは、およそ500キロ。縦半分に切られた「枝肉」の状態から骨を取り、部位ごとにカットしていきます。

 作業場のなかに入って、まずは、寒さに驚きました。肉を管理するためには当然のことですが、ここでの一日仕事は、さぞかし大変だと思われます。

「骨ぬきの作業をすると、かなり汗をかきます。寒さは感じないですよ」
 と、入社2年目の若手、平尾健さんはいいます。

 

 骨抜きをする肉は、1日に3頭分。かなりの重労働です。しかも肉には個体差があるため、脂の厚みや肉の固さなど状態はさまざま。それぞれにあった方法で骨抜きをする必要があります。技術力が問われる作業です。
「どんなに機械化が進んでも、骨抜きの作業は人間でなければできません」
 作業には、大胆さと繊細さが求められます。

 

【1頭丸ごと使い切れるのも、野上食品の強み】

 肉を部位ごとに切り分ける作業のことをカットといいます。部位は、肩ロース、バラ、ロース(サーロイン)、モモ、ウデの5つに分けることができます。どの部位をどのように切るのかは、小売店や飲食店の要望にあわせておこなわれます。

 ちなみに、平尾さんの好きな部位は、ミスジ。ウデの一部で、焼き肉で食べると、最高においしいのだそうです。

 

 見ていると、スパッとカットするその切れ味の素晴らしいこと!

 職人さんは、いくつもの庖丁を使い分けて、脂をそいだり、肉を切ったりしています。
「職人は、自分が使いやすいように庖丁を研ぎます。そのため、人によって刃の角度が違うんです」
 なるほど。まさに職人技です。

 牛1頭を丸ごと仕入れているため、ふつう市場に出ることがない骨やスジ、脂なども抱えることになります。しかし、こうした部位を重宝がる取引先もあって、どの部位もムダなく、使い切ることができます。そこが、「野上食品」の強み。納入するお店との信頼関係がうかがえます。

 

【裸一貫ではじめた事業が、いまや工場に】

 野上社長は、10年間ほど食肉の加工会社で働いたのち、29歳で独立。奥様と二人で、ゼロからのスタートでした。仕入れも、カットも、営業も、すべて野上社長が一人で担当していたそうです。
「何とか1トントラックは手に入れたものの、冷蔵庫を設置する余裕がない。仕入れた肉はその日のうちに、売って回る。そんな毎日でした」

 食品業界は信用が命。そのため新参者の野上さんは、門前払いされることもしばしばあったといいます。

「肉を見れば、うちの立ち位置がわかってもらえる。仕入れた肉をどうやって、いくらで売ろう。そのおもしろさがあったから、やってこられましたね」

 その姿は、業界の方々の心に、きちんと届いていました。地道な努力が実り、取引が軌道に乗りはじめます。

 やがて、中古ながら冷蔵庫を購入。仲間が増え、営業力も強化され、その結果、着実に売上げは伸びていきました。そして2年後には法人化するに至ります。

 裸一貫ではじめて、およそ15年。これまで、がむしゃらに走りつづけてきたといいます。5年前には、現在の新工場を設立し、いまでは従業員数も、22人を数えます。
「たくさんの人との出会いのなかで育ててもらって、いまがある。ありがたいことです」

 

【いつか、従業員みんなで牛を育てたい】

「いつか従業員とともに牛を育て、命のありがたみや仕事への愛情を分かち合いたい。命をいただいて、自分たちは飯を食っている。その自覚を持って、仕事に臨んでほしい」
 本質を見抜く野上社長らしい選択です。

 消費者である私たちも、そのことを忘れてはいけない。野上社長の言葉に、私たちも大きくうなずきました。

 

〈編集部コメント〉

 身一つではじめて、これだけの工場を設立した野上社長の度量に、感心しっぱなしの取材でした。1台のトラックからはじめた事業は、苦難の連続だったと思います。そのなかで、地道に信用を積み重ね、業績を上げてきた。確かな仕事と人柄があってこその成功です。
 そこでお聞きしたいのは、事業を成功させるヒケツ。野上社長は「小細工することなく、素直に仕事をすること」と答えてくれました。大切なのは、誠意。心を伝えることは、やはり大切です。仕事に臨むその姿勢に、非常に刺激を受ける取材となりました。

ご紹介したお礼の品

必要寄附金額: 8,000円

必要寄附金額: 8,000円

必要寄附金額: 12,000円

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