農業ってこんなに楽しい!生産からカフェ運営まで行う、さつまいもファミリー「山下農園」が都城の農業を明るく照らす|宮崎県都城市ふるさと納税特設サイト

農業ってこんなに楽しい!生産からカフェ運営まで行う、さつまいもファミリー「山下農園」が都城の農業を明るく照らす

 インスタグラムの総フォロワー数(※)約1万7000人!「山下農園」は全国にファンをもつ、さつまいも専業農家です。一家を支える山下光明さんには6人の子どもがいますが、その内5人が就職や結婚で県外に出ていました。しかし、次男の竜之介さんが帰郷したのを皮切りに、続々と姉弟たちが都城にUターン。一家が再集結して、さつまいもづくりやECでの直販、お芋カフェの経営を行っています。「今後は〈スポーツ〉〈レジャー〉〈美容〉〈健康〉〈観光〉の5つの事業も立ち上げていきたいと考えています」と光明さん。なんだかとっても楽しそう!壮大な夢に向かって家族一丸で励む「山下農園」を訪ねました。
(※公式アカウントと兄弟のアカウントの合計)

 

大きな負債を抱え、厳しくも愛情深い
親方の元に弟子入り

高校卒業後、神戸でホテルマンをしていた光明さん(写真下)。結婚を機に都城に戻って家業を継ぎ、新しいことにチャレンジしようと電照菊の栽培を始めたもののうまくいかず、多額の負債を抱えることに。

光明さん:どうしようかと途方に暮れていた時、救世主が現れました。葉タバコのコンテストで二度も日本一になった親方に弟子入りできたんです。とにかく仕事に厳しい人で、仕事中話しかけるのも躊躇するほど!弟子入りした他の人も3日で辞めていったりね(笑)。でも、仕事を離れるとそれはもう愛情深い人でうちの子たちも可愛がってもらいました。

弟子入りから3年が経った頃、親方から「山下、自分でやってみるか?」と努力を認められ、独立することに。

光明さん:土地も農機具も全部親方が貸してくれました。親方は私にとって永遠の恩人。私も親方のように人を助けられる人間でありたいし、子どもたちにも常々『誰か困っている人がいたら必ず助けなさい』と話しています。

 

一度は兄弟が離れ、別々の道に。
しかし“都城に帰ろう”という思いはひとつ

山下家の子どもたちは3男3女の6人姉弟。子どもの頃から男の子は野球、女の子はバレーボールに取り組んだスポーツ一家です。三男の竜之介(写真下・上)さんはその実力を認められ、高校卒業後、北九州市にある企業で軟式野球の実業団に所属。しかし、徐々に故郷への思いが募るように。

竜之介さん:小さい頃から父の仕事を見ていて、農業が大変なのはわかっていましたが、外で働いても大変さは一緒だなと。それなら都城に帰って家族で楽しい世界をつくっていけたらいいんじゃないかと思いました。そこで当時、自衛隊として奄美大島に赴任していた兄に電話し、帰郷の意志を伝えたところ、兄も『俺も帰ろうと思っていたところ。ふたりでがんばろう!』という話になったんです。

元々いずれは都城に帰って家業を継ごうと心に決めていた正義さん(写真下・下)。

正義さん:弟に先を越された!早く帰ってみんなで頑張りたいと思いましたね(笑)。

こうして2020年に竜之介さんが、2021年に正義さんが都城にUターンし「山下農園」の新たなステージが始まりました。

 

 

栄養たっぷりでふかふかの土壌で育った
甘〜いさつまいもを大切に出荷

頼もしい息子2人がUターンし、さつまいも専業農家として新たな船出をした「山下農園」。少しずつ買い足したり、借りて増やした畑は今では東京ドーム3.5個分に!都城の水捌けのよい肥沃な大地はさつまいも栽培に適していますが、「山下農園」ではそこに完熟堆肥を加え、栄養豊富な土壌づくりを行っています。3年前からはECサイトでの直販もスタート。美味しさと発信力で、すぐに売り切れてしまうほど人気です。

正義さん:うちの芋はとにかく甘いと驚かれますね。あと、こだわっているのが“磨き”。通常は洗浄機で洗って出荷されるところ、もうひと手間かけ1個1個スポンジで手洗いしています。大切なお客様の口に入るものなので、ピカピカにしてお届けしたくて。

クリエイティブな正義さんはインスタグラムも開設し、正義さんが「@hatake.oji」=畑王子、竜之介さんが「@hatake.bancho」=畑番長というアカウント名で農業の魅力を配信。あっという間にフォロワーが増えていきました。今では2万人に手が届きそうなほど!(農園の公式アカウント含む)。

正義さん:地道に続けていたら見ていただけるようになって。農業は未だにきつい、大変、給料安いみたいなイメージがありますが、やりがいもあって何より楽しいということを伝えていきたいですね。

 

今年7月にはスイーツショップもオープン!
家族が一緒に夢を語り合う日々

今年7月、都城市内に「山下農園」が手掛けるカフェ「芋菓子や RURUQ(ルルン)」がオープンしました。

光明さん:私にとって6次化は長年の夢。それを子ども達が叶えてくれました。

看板商品は壺を使って炭火でじっくり焼き上げる“古式壺焼き芋”。1回に焼けるのはわずか10本で、2時間かかりますが、その美味しさは格別!生産農家がつくる自信作です。このカフェの運営を担当するのが、長女の恵里佳さん(写真下・右)と三女の夢都美(むつみ)さん(写真下・中央)。恵里香さんは広島在住でしたが、カフェオープンのために一時帰郷。来年には家族とともに都城にUターン予定です。また、鹿児島在住の次女・夕佳さんや、沖縄に赴任中の次男・星也さんも近々チーム山下に加わる予定です。

光明さん:家族がワンチーム、最高です!今後は〈スポーツ〉〈レジャー〉〈美容〉〈健康〉〈観光〉に関する事業も視野に入れています。例えば〈スポーツ〉は都城市に野球チームをつくって、県大会で優勝する夢を描いていますし、〈美容〉は次女が鹿児島で美容サロンをやっているので、都城にも展開できたらと。〈レジャー〉は植え付け体験や収穫体験など。植え付け体験は一度実施しましたが大好評でした!農業をしながら家族みんながやりたいことを叶えていきたい。

家族が集まって、みんなで夢の話ができる。これはもう最強で最高。これからの「山下農園」が楽しみでなりません。

 

 

 

<編集部コメント>

子ども6人を育てる大変さはあれど、成長した子どもたちが帰ってきてくれるとこんなに強いチームになるのだと実感した取材でした。しかも現在、お孫さんも11人。「山下農園」の未来は磐石!という気しかしません。(N)

 

「芋菓子や RURUQ」で人気の芋かき氷。ソースもすべて手づくり。中に芋飴が入っている。ちなみに「RURUQ」とはペルー語で“豊作”の意味。

 

じっくり焼き上げる焼き芋は濃厚な甘さで、まさにスイーツ!

 

「芋菓子や RURUQ」があるのは都城市志比田町の住宅街の一角。赤いロンドンバス(クレープショップ)が目印。

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