ワンストップのコンサルティングで都城の事業者を支え、自らもメーカーとして完熟金柑の加工品を手がける「株式会社KREAM」|宮崎県都城市ふるさと納税特設サイト

ワンストップのコンサルティングで都城の事業者を支え、自らもメーカーとして完熟金柑の加工品を手がける「株式会社KREAM」

 1998年にグラフィックデザインとコピーライティングの会社としてスタートした「株式会社KREAM(クリーム)」(以下:KREAM)。現在は都城と東京に拠点を置き、補助金申請のサポートから商品開発、ブランディング、ECサイトの構築まで、事業者のニーズをワンストップで叶えられる企業に成長。都城の事業者にとって“頼れる存在”となっています。

 昨年からはオリジナル商品「まるかじり氷結きんかん」の販売も開始し、メーカーとしての事業も展開しています。驚くのはそのほとんどを代表の石井亮作さんがひとりで手がけていること。時代の変化を柔軟に受け止め、まるで“ひとり広告代理店”のようにマルチに活躍する石井さんにお話を伺いました。

 

制作会社としての名をPRするために
ECサイトをスタート!

東京に進学後、スポーツ関係の出版社に就職し、編集・ライターの仕事に携わっていた石井さん。都城の印刷会社でグラフィックデザイナーをしていた兄・慶一郎さんが独立することになり「一緒にやらないか」と声をかけてくれたことを機にUターンし、ふたりで制作会社「株式会社トレジャーアイル」を旗揚げしました。しかし、なかなか仕事を受注できない日々が続きます。

石井さん:今でこそデザインの重要性が周知されていますが、当時は“印刷物は印刷会社に注文するもの”と考える人が多く、制作会社に直接発注されることが少なかったんです。

そこでふたりが新たに挑戦することにしたのが、宮崎の名産品を全国に紹介するECサイトの制作。

石井さん:兄と〈印刷会社とは違う事業に取り組んで、自社もPRしよう〉と考え、地鶏やマンゴーなどの生産者さんに片っ端から電話をかけて営業しました。

こうして2005年にECサイト「みやざき宝島本舗」をスタート。2007年に東国原英夫氏が宮崎県知事に就任し、県産品のPRを行うようになってからは取り扱い商品が飛ぶように売れるように! 地元で「トレジャーアイル」の名も知られるようになっていきました。

 

都城のクリエイターとプロジェクトを組み
顧客に寄り添って課題を解決

ECサイトの運営で時代の波にのった「トレジャーアイル」でしたが、2009年に慶一郎さんが急逝。落胆した石井さんでしたが、再起を図るべく、東京でグラフィックデザイナーをしていた弟・洋光(ひろみつ)さんと社名も新たに現在の「KREAM」を設立。印刷物からホームページ、ECサイト制作など、精力的に事業を展開していきます。

石井さん:弟にデザインを担当してもらうこともありますが、都城にはデザイナーやカメラマンなど、優秀なクリエイターがたくさんいるので、案件ごとにプロジェクトを組んでいます。地元の人や事情がよくわかるからこそできる提案もある。デザインや企画の仕事をやっていると無意識に“カッコイイもの”を作りがちになりますが、“カッコイイもの”と“売れるもの”は違います。都城で多くの事業者さんと関わることでそのことを学ばせてもらいました。

名刺やチラシの依頼を受けたことをきっかけにホームページやECサイトまで手掛けるようになったクライアントも少なくないそう。

石井さん:いい商品だからうちのサイトで売りましょう!とか、ホームページに買い物かごをつけましょう!とか、常にお客様に寄り添って自分たちにできることを提案してきました。

こうして口コミで「KREAM」の評判が広がり、都城のクリエイティブを担う会社として知られていきました。

 

“モッタイナイ”からスタートした
自社での商品開発

「KREAM」が手掛けている「まるかじり氷結きんかん」。この商品は都城市内にある「内山金柑園」との出会いをきっかけに誕生しました。

石井さん:ホームページを手掛けさせてもらったのがご縁です。「内山金柑園」の金柑は大きくて甘くてとても人気なのですが、内山さんはすごく気前がいい方でシーズンの終わり頃になると収穫した金柑を無料で配ってしまうんですよ。そこで〈せっかくなら冷凍して夏の商品として販売しませんか?〉と提案したのですが、内山さんは美味しい金柑をつくるのに精一杯で加工品に手が回らない。それなら自分が余剰生産分を買い取って、商品にしようと考えました。

こうして完熟した甘〜い金柑を急速冷凍した「まるかじり氷結きんかん」を開発し、メーカーとして新たなステージへと踏み出した「KREAM」。石井さんは東京での展示商談会などにも出向き、積極的に営業を行っています。

石井さん:目標は伊勢丹で取り扱ってもらうこと。商談会でバイヤーさんともお会いしたのですが、“手にしたくなる、贈って喜んでもらえる仕様にした方がいい”とアドバイスを受けました。自分にはその視点がなかったので、非常に勉強になり、都城に帰ってからすぐに改良しました。

こうして新パッケージの「マダム・キンカン」が誕生(写真下)。来年から本格的な展開を予定しています。

 

 

補助金申請のサポートも。
デザインや言葉、蓄積したノウハウで
都城の事業者を応援したい!

石井さんは各種補助金のための申請書類作成サポートも手掛けています。

石井さん:事業拡大するために補助金の申請はしたいけど、書類を作成するのが面倒で苦手という事業者さんも多いので、そのサポートを行なっています。最初は私も手探りでしたが、何度かやっているうちにコツのようなものがわかってきました。どんな補助金があるかの情報も入ってくるので〈こういう補助金の制度があるから、新しい事業を始めてみませんか?〉と提案することもできるようになりましたね。

事業構築から商品開発(写真下)、パッケージデザイン、販促物やECサイト制作など、事業者が求めるあらゆるニーズに応じてくれる「KREAM」。これからも都城の優れた商品を世に送り出すコンサルティング企業として、地元で頼りにされていくことでしょう。

 

 

<編集部コメント>

「どうやったら商品が売れるのか?自分がメーカーになって経験したことを、都城の事業者さんにフィードバックできたらいいと考えています」と常にお客様ファーストの姿勢を貫く石井さん。今後もメーカーとしてさまざまな商品を発表予定だとか。その動向が楽しみです!(N)

 

 

「内山金柑園」の完熟金柑をドライにした「濃密ドライきんかん」や都城で60年以上の歴史を誇る「浅井万十店」とコラボした「完熟フルーツのマカロン」なども「KREAM」が手掛けている

 

「KREAM」の取引先となっている「ばあちゃん本舗株式会社」。付き合いは15年前からと長く、名物「ずりみそ」の商品開発には石井さんも関わった

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