都城米の全国区化を目指して奮闘中!「段精米所」|宮崎県都城市ふるさと納税特設サイト

都城米の全国区化を目指して奮闘中!「段精米所」

 都城の絶品米「山田米」が口コミで人気となっていること、ご存知でしたか?その仕掛け人が段 隆志さん。創業80年、「段精米所」の四代目です。実は「山田米」は「段精米所」と同じ地区にある農業生産法人「森山農産」がつくる同一生産者米。都城の美しい自然と、人の工夫や知恵から生まれた「山田米」を、精米のプロである段さんが世に送り出すという理想的なビジネスモデルが展開されています。その形ができるまでの経緯、そして“これから”について伺ってきました。

 

「継がなくていい」という父の想い
「継がせてください」という子の想い

 「家業は継がなくていいから、自分の好きな道へ進みなさい」。そんなお父様の言葉を受け、建設会社勤務から看護師へ、と自分の道を模索していた段さん。ちょうどハローワークに通っていた期間、奥様から「時間があるなら、お父様のお手伝いをしてみたら?」と言われたことをきっかけに、生まれてはじめて家業に関わることに。「今はコイン精米が主流ですし、農家も減っている。今後、精米所を続けていくのは大変だという父の想いがあったんでしょう。でも、実際に手伝い始めると、うちってこんなにお客様がいてくださったんだ!と驚きました。父の仕事ぶりを初めて目にして、ここを潰してはいけない!地域に絶対に必要だと実感したんです。それで父に一緒にやらせてほしいと頭を下げました」。三代目から四代目へと歴史が受け継がれ、父子で営む「段精米所」が船出しました。

 

「米はつくるな」が祖母の口ぐせ
精米所としてあるべき姿を追求

 取材中も次から次へと、農家から米が運ばれてきます。24時間いつでも精米できるコイン精米があるのに、なぜ農家のみなさんは自分たちで食べる米を精米するために「段精米所」を訪れるのでしょう?「コイン精米だと、すべて一定の圧力でしか精米できないんです。うちでは持ち込まれた米の乾燥具合などを瞬時に見極めてから圧を変えています。また、その日の天気・気温・湿度も考慮して、その米の美味しさの頂が感じられるよう精米しています。だからこそお客さんに喜んでもらえるのかと」。米は隣同士の田でも味がまったく違うくらい、繊細なもの。その状態を見極めるのが精米所の腕の見せどころです。「実は亡くなった祖母の口ぐせが“米はつくるな”だったんです。精米所をやっていて、米のことがわかると自分でつくりたくもなる。でも、それをやると精米に手が回らなくなったり、大事なお客様に迷惑をかけることになるかもしれない。精米所は精米の技術を磨け、という意味なのでしょう」。お父様から毎日指導を受け、徐々に米や精米技術を熟知していった段さん。そんな時に出会ったのが(有)森山農産がつくるヒノヒカリでした。

 

衝撃的な山田米との出会いから
孤軍奮闘の日々がスタート

 「精米で忙しい日々を送りつつも将来の不安があり、“いつか自分が惚れ込んだ米を売りたい!”と思っていました。そんな頃、この米と出会ったんです。こんなうまい米、食べたことない!と衝撃が走りました。それで森山さんに“自分に売らせてください!”とお願いしたんです。森山さんはいい米をつくることに精一杯で、売ることにまで手が及んでいなかったらしく、快諾いただきました」。
 1年間発酵させた完熟たい肥を使って冬に土づくりをし、田植え後は無農薬で手間暇をかけて育てられたヒノヒカリ。美しい都城の水が育てた米を食べて育った段さんでも、驚くほどの美味しさだったとか。段さんは「まずは食べてみてください!絶対に精米したてを納品します!」と飲食店などを一軒一軒訪ね歩き、徐々に取引先を増やしていきました。「注文があった日に挽いて、届ける。これが自分が関わる強みだと思いました。お陰様で徐々にその美味しさを認めていただけて、今では全国にお客様がいてくださいます。本当にありがたいです」。

 

都城の米は旨い!と
日本中に知らせたい

 そんな人気ブランド米の名前は「山田米」。山田とは「段精米所」や「森山農産」がある地域の名前です。「“段米”でも“森山米”でもよかったのかもしれませんが、町の人口も減って、なんとかこの町の名前を残したいと思いました。山田の米って美味しいよね!都城の米って美味しいよね!と“魚沼産コシヒカリ”みたいに、全国に土地の名前が広がってほしいんです」。「山田米」のネーミングには、段さんの郷土愛が込められているのです。
 「山田米」を販売するにあたっては、室温15度に保てる専用の専用保冷庫を導入。ほかに精米機や異物除去の機械、計量器、袋詰め機などを配した部屋もつくったという段さん。すべてを自分で管理し、つきたての最高の状態を全国に届けてくれます。「ふるさと納税返礼品も、発送前日までに精米したものしか、送っていません。香りがよく、甘みと旨みが強い「山田米」をひとりでも多くの人に味わっていただきたいですね」。今日も精米の仕事がひと段落した後の夜、そして翌日の早朝、美味しい米を待つ人々のために、段さんは最高の「山田米」を精米し続けています。

 

 

<編集部コメント>

「米は野菜と一緒。開封したお米は新鮮に保てるように冷蔵庫で保管を。「山田米」は少し水を少なめに炊くのがオススメです」と段さん。その言葉通りに炊いてみたところ、確かに香りがまったく違い、米のチカラ、精米のチカラがひとつになった力強い味わいが感じられました(N)

 


昔から1エリアには1軒あった精米所。「段精米所」では、そばや小麦粉、だんご粉などの製粉も行なっています

 


プロの技術で精米した米の美味しさを知る農家の方が、自分たちで食べる米を持ち込みにやってきます

 


15度に保たれている保冷貯蔵庫には「山田米」がずらり。収穫された全量が「段精米所」で管理されています

 


「山田米」は精米後、形が悪いもの、状態が悪いものなどが入らないよう、選別機にかけられています

 


室温18度に保たれた部屋で精米から封入までを段さんがひとりで行なっています

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