心が通うサービスと品揃えで地域から頼られるお店「リカー&コンビニKUMAHARA」|宮崎県都城市ふるさと納税特設サイト

心が通うサービスと品揃えで地域から頼られるお店「リカー&コンビニKUMAHARA」

 お酒から日用品、タバコ、宝くじ、さらにはクリーニングの取り次ぎまで、生活のすべてを網羅する品揃えが、地域での役割を物語っています。「リカー&コンビニKUMAHARA」4代目のご主人、熊原猛さんは、その自覚を強く持っておられました。

「めったに売れないようなものでも、お客様が必要だと思ったときにすぐ買えるよう、店頭に置いています。こんなサービス、大手のコンビニではできませんから。近所のおじいちゃんやおばあちゃんが頼りにしてくれていることを感じています」

 熊原さんの言葉どおり、店内には、年代ものの懐かしい一品やユニークな品など、普段はなかなか目にしない珍しい商品も並びます。

 

【人を喜ばせたい。仕事でも趣味でも、その想いを貫く】

 一方で、レジ奥の壁には、ランナー姿の写真がズラリ。こちらも興味を誘われます。マラソンが趣味という熊原さんが、様々な大会で撮影した笑顔の写真が、ひときわ目をひきます。

「青島太平洋マラソンやひとよし春風マラソンなど、近郊のマラソン大会に参加しています」

 そう言いながら、何枚かの写真を見せてくれました。仮装したこのランナーが、熊原さん!? こうしてお話しているお姿からは、想像ができません。しかも、写真には「ユニーク賞」の文字があります。

「いまでこそ仮装したランナーを見かけること多くなりましたが、20年ほど前まではかなり珍しがられました。『あんな格好で走れるのか?』と噂になったようです」

 フルマラソンを走る。それだけでも大変なことなのに、マントやマスクで仮装すると、風の抵抗が増したり、暑かったりと、疲労度は倍増します。それなのに仮装するのは、「周りの人たちを楽しませたいから」。そのサービス精神には、感服です。

 

【自分の歩みを見つめ、100キロマラソンも完走。】

 「自分の調子がよくなければ、仮装はできない。3年前に故障して以来、最近は仮装して走る余裕はないのですが……。マラソンは、人との競争ではありません。自己記録への挑戦です。記録が更新できたときの達成感は、走る上で大きな喜びになります。数字ではっきりと示されるのも、いい。それでハマってしまいました」

 調子がいいときには、100キロを走り抜くウルトラマラソンにも出場し、完走していたそうです。ウルトラマラソンの制限時間は、13時間から14時間だとか。半日以上、走りつづけるなんて、ちょっと想像できません。

「もちろん、途中は歩きますよ。走りながら、歩きながら、これまでの人生を振り返って、いろいろ考えています。こんなに自分に向き合い、考える時間があるというのは、贅沢なこと。隣を走る人と話すこともあるし、いつの間にか完走しています」

 自分の限界に挑み続けるうちに、たくさんのランナー仲間もできたそうです。

 

【お客様のニーズに、とことん向き合う】

 お店が現在の形になる前は、酒屋さんでした。130年近くつづく老舗で、熊原さんはその4代目。東京で働いていましたが、お店を継ぐためにUターンしたといいます。熊原さんが帰ってきたときには、ご近所の方々がとても喜んでくれたそうです。

 「お客様は、私が小さいときから知っている人ばかり。かわいがってもらった思い出がたくさんあります。子どものころは助けてもらっていましたから、これからは私がお役に立つ番。困ったことがあったら、あの人に聞いてみよう。そう思ってもらえると、嬉しいですね。困ったときは、お互いさま。このあたりは、昔からそうですよ」

 地域の結びつきが希薄になりつつある現在に、なんだかホッとします。

 

 お酒だけでなく、食料品や日用品など、店内にはさまざまな商品がありますが、録音用のテープを見つけたときには、驚きました。もう、久しく見ていません。

「カラオケ用に使われる方がいらっしゃるんですよ」
 と、熊原さん。

 

 ウイスキーの陶器ボトルも見つけました。昔は特別なお酒だったウイスキー。子どものころに家の飾り棚で見た、懐かしい記憶がよみがえります。
 「喜んでくれるお客様がいるかもしれない」そんな熊原さんのニクい心遣いです。

 

【地域とともに、これからもずっと】

 熊原さんのお父様も、人を喜ばせることが好きな方だそうです。マジックの達人で、子どもたちやお年寄りに披露していたといいます。その姿が、お店のシャッターに描かれています。お店を閉めているときでも、お客様の目を楽しませたい。サービス精神の塊のようなお父様です。

 

 お店は年中無休。夜中の1時まで営業しています。
「毎日、お店を開けているので、マラソン大会に出場しても、なるべく早く戻ります。姉やパートの方にも協力してもらいながら、このスタイルを維持しています」

 驚くことに、パートの方は、熊原さんが生まれる前から働かれているのだとか。このお店の素晴らしさが伝わります。

 

「これからもずっと、地域とのつながりを大切にしていきたいですね。そして、ふるさと納税でつながるお客様へは、焼酎の魅力を伝えたい。都城には、いい焼酎がたくさんありますから。ふるさと納税で子どもさんからプレゼントされたのをきっかけに、ご注文をいただくこともあるんですよ。焼酎のよさが全国に広がると、嬉しいですね」

 昔なじみのご縁もあれば、お酒でつながるご縁もある。こうして広がった人の輪が、お店の未来につながるはずです。人との関係が希薄だといわれる時代に、心の通った関係を築こうと考えて、行動する。いまの時代にこそ、熊原さんのような存在が必要なのだと感じました。

 

〈編集部コメント〉

とにかく優しい熊原さん。ご高齢のお客様に代わって、資源ゴミを回収場所まで持ち込むこともあるのだとか。登下校の学生さんのために、と店先には自転車の空気入れも置かれていました。「困ったときはお互いさま」という言葉が胸に響きます。熊原さんのあたたかさが、心に染みる取材となりました。

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