茶葉で淹れるお茶の魅力を伝える「鎌田茶業」|宮崎県都城市ふるさと納税特設サイト

茶葉で淹れるお茶の魅力を伝える「鎌田茶業」

山々に囲まれた盆地に、深い霧が立ち上がる都城。お茶づくりに最適な地の利に恵まれたこの地方では、260年以上前から茶の栽培が広まり、江戸時代中期にはその名声を博するに至りました。その特徴は鮮やかな色、香り、コク。現在も品評会などで高い評価を受けています。そんなお茶の魅力を伝えているのが「鎌田茶業」。今回は直営店「薩摩園」で、お茶メーカーとしてのこだわりや魅力などをうかがいました。

 

自然を相手に
一定の味を保つ

 今回お話をうかがったのは代表取締役の鎌田博文さん。都城で生まれ育った鎌田さんは、43年前に「鎌田茶業」を創業しました。「夏と冬、昼と夜の寒暖差が大きく、朝は濃厚な朝霧に包まれる。都城は昔からお茶栽培に適した土地なのです。うちは近郊の農家さんなどから茶葉を仕入れています。その茶葉は葉肉が厚くて、差しが効く(二煎目も美味しい)。産地としての歴史も長く、品質が良いのです」と鎌田さん。「鎌田茶業」では茶葉の品種や品質を見極めて店の味をつくりあげます。「自然相手のものですから、その時々により茶葉の味も香りも一様ではありませんが、お客様には変わらぬ旨さをご提供しなければなりません。五感を研ぎ澄ましてのお茶づくりが求められるのです」。

 

じっくり火入れした
「炭火仕上茶」

 茶畑で摘んだ後に、蒸す→揉む→乾燥という工程を経てつくられる「荒茶」。その「荒茶」に炭火でじっくりと火入れをして仕上げられたのが「炭火仕上茶」です。こちらは数ある商品の中でも人気のお茶で、鎌田さんが創意工夫を重ねて完成させた逸品です。「一度の仕上げ量が少なく、手間暇はかかりますが、その分、茶質の状態を見極めながら丹念に仕上げています」。ゆっくりとつくられた「炭火仕上茶」は、まろやかで甘み豊かな味わいが特徴。“炭火香”と呼ばれる香りもあり、贈答品としても人気です。

 

一定の品質を保つために
必要な感性とたゆまぬ努力

 奥深いお茶の世界。五感の感覚も人それぞれですが、一定の品質を保つために、どんなことが心がけられているのでしょう?「うちでは、私と工場長、長男の3人で品質をチェックしています。味覚は人それぞれ違うのでしょうが、とにかく“うちの味”を舌で覚えて、共有していくしかありません。日々お茶と接していると徐々にそれができるようになります。匠の技の継承です」。繊細なお茶の味を守り続ける…、そこにはたゆまぬ努力がありました。

 

簡単で美味しく。
淹れ方も伝える

 「薩摩園」の店頭には各種茶葉のほか、お茶を楽しむための道具もずらり!「いいお茶は、いい淹れ方で楽しんでいただきたい」との思いから、淹れ方、楽しみ方も伝えています。「最近はペットボトルのお茶が普及して、家庭で茶葉を使ってお茶を楽しむ方が減っています。茶業界全体で需要の立て直しが必要な時代なのでしょうね。うちでは、美味しさ、品質の良さ、安全性、機能性、淹れ方などの知識をできるだけお伝えし、茶葉の魅力発信に取り組んでいます」と鎌田さん。さて、家庭で美味しく淹れるにはどうしたらいいのでしょう?「まだまだ暑い今頃の時期なら、いつもより多めの茶葉(一人当たり大さじ2〜3杯)を急須に入れ、茶葉が浮き上がらない程度の冷水をゆっくり注ぎ、4〜5分そのままにしてグラスに注げば出来上がりです。とってもいい味になります。水は軟水がオススメです」。実際に淹れていただくと、まろやかさと甘み、豊かな香りが口いっぱいに広がり、幸せな気持ちに。心安らぐお茶の時間、日常に取り入れたいものです。

 

 

<編集部コメント>

取材当日は残暑厳しい初秋。「まずは飲んでみてください」といただいた水出し緑茶の美味しいこと。この一服の清涼感はコーヒーや紅茶では味わえない感覚。日本茶は喉だけではなく、心まで潤してくれるものであることを改めて認識しました(N)

 


「日本茶」の旗が目印の「薩摩園」本店。店舗はイオン都城店内や宮崎市、高鍋町にあります

 


静謐な印象の店内。居心地がよく、ゆったりとお茶選びを楽しめます

 


本店の目の前には工場も。蔵のような重厚感のある建物です

 


「炭火仕上茶」に使われているのは上質な備長炭。上質なものほど、断面が輝いているそう

 


煎茶やほうじ茶など、多彩なラインナップ。粉茶やティーバッグなども揃っています

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