とんそくに惚れ込んだ社員が集まり、その魅力を進化させる「栗山ノーサン」|宮崎県都城市ふるさと納税特設サイト

とんそくに惚れ込んだ社員が集まり、その魅力を進化させる「栗山ノーサン」

 カタカナで記すだけで、どうしてこんなに印象が変わるのでしょう。「ノーサン」という響きはどこか洒落た印象で、工場はセンスを感じさせるたたずまい。何を扱っているのかと聞くと、主に豚の“副生物”だといいます。そう聞いて、まったくピンときませんでした。

 一般的に「豚肉」として売られている部分は、豚のごく一部。頭や皮、骨など、市場には出回らない部位を副生物と呼び、これまではほとんどが破棄されてきました。その理由は、下処理に手間がかかるから。その代表選手が、豚足です。

 「豚足が大好き」という人は、少数派かもしれません。けれど、「栗山ノーサンの豚足は大好き」という人は、実は日本中に大勢います。人気のヒミツは、どこにあるのでしょう。

 

【豚足を食卓に。その先駆が、ここ】

「人がやらないことに目をつけて、これまでやってきました」
 と語るのは、社長の栗山孝男さんです。お父様の代から畜産にかかわるさまざまな仕事をつづけてきたといいます。そんななか、廃棄されている豚足に目をつけます。昭和58年ごろのことでした。

「ヨーロッパでは、『ザンポーネ』という豚足を使った料理があり、頭肉は『グアンチャーレ』という塩漬けにしてカルボナーラなどに使っています。副生物を使うのはあたり前なんです。だから付加価値をつけることができれば、日本でも食べてもらえるんじゃないか。そう思ったんです」

 そこでまず、豚足に残っている毛を処理しようと考えます。そしてつくったのが、オリジナルの脱毛機です。まるで洗濯機の脱水をするように豚足を回転させて、毛を取っていたそうです。それでも取れない毛は、手作業で1本1本抜いていると伺って、繊細な行程に驚きました。

“かぶりつく”というこれまでの食べ方も、女性からはイヤがられる。そのため、爪を取り、骨を抜き、縦半分にわったり、小さく切ったりして、食べやすく工夫しました。

 

 あとは、食べ方です。ただ焼いて食べるというだけでは、おもしろみがない。もっと食べ方の幅を広げ、料理の素材として認知してもらうことはできないだろうか。そこで、大きな蒸気釜で豚足をやわらかく煮て、素材として使いやすいように加工しました。こうした加工を栗山ノーサンでは「1.5次加工」といい、残り0.5は、飲食店での調理の余地が残されているというわけです。

 

 あわせて、料理法も開発しています。

「『とんそく南蛮』がおすすめです。『豚足ってこんなにおいしかったの!』と、びっくりするはず」
 と言うのは、フードビジネスコーディネーターの資格を持つ東森薫さんです。

 

 元CAの東森さんも、栗山ノーサンの豚足に惚れたファンの一人。まだまだ知られていない本当の美味しさを世に広めようと、女性目線で豚足に向き合っています。

 こうした提案をつづけることで、豚足を利用する飲食店が増加。私たち消費者にも使いやすい商品展開で、確実にファンが広がっています。

 

【最先端の工場で加工する豚足は1日約1トン】

 人気が出てきた豚足の処理能力を上げるため、2017年10月には新工場に移転しました。この工場が、スゴイ。最先端の設備と全国トップクラスの衛生管理のもと、効率的に商品が生み出されています。

 現場の声を生かした新工場にするため、設計の段階から打ち合わせを重ねていたのが、工場長の蓑原隆男さんです。これまで、28年にわたって豚足をはじめとする副生物の加工に携わってきたエキスパート。93名におよぶ従業員の声をくみとり、現場での仕事に生かします。

「とにかく、バカ正直にやってきました。そのせいか、副生物という特殊な部位を扱っているにもかかわらず、クレームはほとんどありません」
 まっすぐな語り口が、お人柄を感じさせます。

 

 工場を見せていただきました。

 豚足の加工は、1日に1トン。切り方や味つけが異なる30アイテム以上もの商品がつくられています。

 

 下処理を施された豚足は、大きな蒸気釜で、ていねいにアクを取りながら煮ます。このとき、豚足のなかまで熱がしっかりと入っているか、確認しているといいます。

 

 工場では、豚の副生物すべてを手作業でトリミングしています。手がかかるこうした作業のおかげで、私たちはこれまで味わうことができなかった部位を食べることができているのです。たとえば、「豚トロ」。これは頬の肉です。「ハラミ」は横隔膜。こうした部位の肉も、私たちの日常にすっかりとけ込んでいます。

「1日に500から600頭の豚の下処理をおこなっています。1頭の豚からとれる副生物は、およそ2キロ。そのうちハラミは300グラム程度です」
 と教えてくれたのは、頭肉製造部の岡田優治さんです。

 それにしても、従業員のみなさんは若くて、元気。それでいて、テキパキと仕事をこなします。そのあざやかな手さばきに感心して、見とれてしまいました。

 

【「とんそくNIGHT」で、豚足の魅力全開!】

 こうして使いやすいように加工された豚足をさまざまな形にアレンジして、実際に味わってもらいたい。その想いからはじめられたのが「とんそくNIGHT」という豚足料理体験イベントです。その発起人が池田吉啓さん。

 栗山ノーサンの豚足加工技術に可能性を感じ、転職してきた「とんそく愛」の人。かわいい帽子をかぶり、キメポーズは〝とんそくピース”。地元では「とんそく王子」と呼ばれています。休みの日でも、自宅で商品開発に取り組んでいるとか。豚足にかける情熱は、誰にも負けません。

「自分でつくった試作品をプロの料理人に評価してもらえることも、喜びのひとつ。豚の産地工場だからこそできるとんそくの魅力を多くの人に伝えたい」
 と、池田さんは言います。

 

 池田さんの10年来の友人である鳥越晋二さんは、もともと「とんそく NIGHT」のお客様でした。彼の手腕を買って、栗山ノーサンに招いたのも、池田さんです。異業種からこの世界に飛び込んだ鳥越さんも、もちろん栗山ノーサンの豚足ファン。豚足のポテンシャルを信じ、おいしさを追究するお一人です。

 栗山ノーサンの豚足に惚れ込み、ここに集まった社員のみなさんが、さらなる商品開発や広報をする。その相乗効果でますます豚足の可能性は広がっているようです。自社の商品を愛し、誇りを持って仕事に臨む姿は、みなさん輝いていました。

 

〈編集部コメント〉

都城は、畜産王国。特に豚は、日本一の出荷量を誇ります。それなのに、命をすべて使い切れないというのは、あまりにもったいなく、申し訳ない。栗山社長が副生物に取り組んだ理由の一つが、そこにあります。「せっかくいただいた命は、大事に食べ尽くすべきだと思います」
栗山社長の言葉が、胸に響きます。その想いに共感し、その仕事ぶりに感動し、その味の虜になった人が集まって、いまの「栗山ノーサン」がある。ここで働くみなさんの喜びが商品の魅力につながっていると実感しました。

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