ふるさとの味を次世代へとつなぐ「ROPES(ロープス)」|宮崎県都城市ふるさと納税特設サイト

ふるさとの味を次世代へとつなぐ「ROPES(ロープス)」

 2020年10月、1994年の創業以来、農産物や加工品を販売し、地元の人たちで運営されてきた都城市高崎町「高崎大牟田農産加工センター」が「星の駅たかざき」として生まれ変わりました。その運営管理を行っているのが、「株式会社ROPES(ロープス)」です。「星の駅」とは、環境省が行なう星空観測で10年連続「日本一星のきれいな町」として認められた高崎にちなんだもの。「ふるさとの味を守り、伝えながら、さらなる発展を目指していきたいですね」と代表の大内康勢(やすなり)さん。新たなスタートを切った「星の駅たかざき」の大内さんに、その意気込みを伺いました。

 

地方再生を目指し
都城市へ移住

 もともと東京で不動産関係の仕事に携わっていた大内さんですが、2011年の東日本大震災をきっかけに「食」に興味を持ち始め、それと同時に地方再生や町おこしの仕事がしたいと考え、母方の故郷である都城に行くことを決意。

 総務省の「地域おこし協力隊」として3 年前に都城にやってきました。「母の実家があり、小さい時から来ていたので馴染みがあったというのも理由のひとつですが、何より都城には美味しいものがたくさんあるので、やりがいがありそうだとも思いました」。

 地域の活性化のために最初に携わったのは、人手不足や高齢化などの問題を抱えていた「高崎大牟田農産加工センター」の経営改善および新商品開発でした。整理整頓に始まり、在庫管理、原価計算、仕入先の調整、人員募集、新商品開発など、少しずつ改善に着手していったそうです。

 

時間とともに築かれていった
お母さんたちとの信頼関係

 もともと10数名の地元女性たちによって運営されていた「高崎大牟田農産加工センター」。創業当初から「地産地消」を掲げ、土地の暮らしに根差した四季折々の加工品を開発し、郷土の味を紹介してきました。味噌や漬物、調味料や郷土菓子など、数々の人気商品が生み出され、現在も40種以上のオリジナル商品が店頭に並びます。

 さらに、3年前に大内さんが加わったことで新商品の開発も進みます。スタッフのみなさんも「大内さんが来てくれてよかった。いつまでできるかな…と心配していたけど、私たちの作った商品がこれからも受け継がれていくのはうれしいです。私たちでは気づかなかった地元の魅力を、彼が再発見して新しい商品が生まれたり、やっぱり若い人の発想は違いますね」と大喜び。「地域おこし協力隊」の3年間で地元の人たちとの絆も深まり、2020年10月、大内さんが設立した会社「ROPES(ロープス)」がこの施設を継承することに、みなさん大賛成してくれているそうです。

 

愛情たっぷりの“まかない”が
新商品開発のヒント

 ふるさと納税の返礼品でもある「みやざき豚ナンコツ大根」も大内さんが加わって開発された新商品のひとつで、ここで働く中津チリ子さんの手料理を商品化したものです。「私が単身赴任で一人暮らしということもあり、お母さんたちがいつもいろいろな料理を作ってきてくれるんです。どれもこれも美味しいのですが、中でも中津さんの豚ナンコツは絶品!思わず、これ商品にしましょう!って(笑)」。

 豚ナンコツ大根は、田植えや稲刈りなど、人が集まる時に作る中津さんの十八番料理で、大きな鍋で豚ナンコツや大根、コンニャクを長時間じっくりと煮込んだもの。トロリととろける軟らかいナンコツやしっかり味が染みた大根がたまらない美味しさ!缶詰の味付けは中津さんが自ら監修。「まさか、わが家の料理が商品になるとは思ってませんでした。缶詰とは思えないほど美味しくできあがってますよ!」と大満足の様子です。

 

お母さんたちの味は町の宝
若い世代につなげていきたい

 「ROPES(ロープス)」という社名は、地域の魅力を次世代に繋ぐ“綱=ロープ”でありたいという思いを込めて付けられました。「もっと若い人たちを巻き込んで、これまで地元の方々が守ってきた郷土の味を次の世代につないでいきたい。若いスタッフも増やしていきたいですし、まずは、ここの商品を地元だけでなく全国に広げて、その美味しさに出会えてもらえたらと思っています」。

 「星の駅たかざき」を拠点に、ここで製造販売している商品のインターネット通販も始める予定です。また、館内の体験室では、味噌、こんにゃく、あくまき、ゆべしなど、お母さんたちから直々に教えてもらう手作り教室も開催予定。新商品も続々開発中だそうなので、これからの「星の駅たかざき」の展開をお楽しみに!

 

 

<編集部コメント>

とにかくお母さんたちに愛されている、“よかにせ(都城弁で「いい男」)”の大内さん。みなさんが大内さんをわが子のように可愛がっているのが伝わってきました。(T)

 


「柚子こしょう」の仕込み中。大内さんの営業の甲斐あって、昨年まで100㎏だった仕込み量が今年は600㎏に!お母さんたちも大奮闘

 


「みやざき豚ナンコツ大根」に使われている手作り味噌と豚ナンコツ。豚ナンコツは、栗山ノーサンの「おさつポーク」。大根は切干し大根を使って食感を残しているのがポイント

 


「パカッとふるさと」缶詰シリーズは、「みやざき豚ナンコツ大根」のほかにも「みやざき鶏ムネ大根」や「みやざき牛すじ大根」があります。どれもお母さんたちのレシピによるもの

 


ロングセラーでもある「キャロットドレッシング」やTV番組でも取り上げられた「ばあばのタレ」、地元産しいたけたっぷりの「めんつゆ」など、ヒット商品がいろいろ

 


試作中のカラフルな瓶詰ピクルス。都城の野菜や果物がたっぷり詰まっています

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