安心・安全な国産らっきょうを届ける「霧島食品工業」|宮崎県都城市ふるさと納税特設サイト

安心・安全な国産らっきょうを届ける「霧島食品工業」

 宮崎県は鳥取県や鹿児島県と並んで、全国有数のらっきょうの産地です。なかでも都城市は土壌や気候条件がその栽培に適しており、県内一の生産量を誇ります。1983年創業の「霧島食品工業」では、“土”“発酵”“添加物ゼロ“にこだわり、栽培から加工まで、しっかりと手をかけ、人の目で管理をしながら、安心・安全ならっきょうづくりに取り組んでいます。また、製品の安全性だけでなく工場排水の浄化など、環境にも配慮。人と自然への思いやりの心が息づく「らっきょうづくり」について、代表取締役社長・谷口宏敏(ひろとし)さんに伺いました。

 

丹精込めて育て、
一粒一粒手作業で収穫する

 宮崎県は「日本のひなた」といわれるほど、日照時間、平均気温の高さ、快晴日数の多さが全国トップクラス。降水量も九州一を誇ります。加えて、山々に囲まれた都城市は、昼夜の寒暖差が大きい盆地特有の気候と、火山噴火により作られた水はけのよいシラスの土壌という、らっきょう栽培には絶好の地理的条件に恵まれています。「霧島食品工業」は、自社製品に使用するらっきょうを育てるため、地元農家の協力を得て、2016年に農業法人「サングリーンジャパン合同会社」を設立。古くから伝わる栽培方法をベースに研究改良を重ね、消費者のニーズに応えるらっきょうの栽培に取り組んでいます。「加工前の青果品は大粒のものが好まれますが、漬け物は小粒が人気です。以前は契約農家さんから購入して、加工だけを行っていましたが、高齢化や人手不足で生産農家が減ってきたので、できるだけ安定調達できるよう、また、栽培技術を次世代に繋ぐために、自社で栽培することにしました。らっきょう栽培は、とても手間暇がかかります。9月に植えて収穫は5~7月と、土づくりから数えると栽培に約1年。お米や大根は植えてから90日ほどで収穫なので、それに比べるとかなり時間がかかることがわかります。しかも、らっきょうの球根は繊細なので、植えるのも収穫も一株一株すべて手作業。さらに、うちは安全のために除草剤をほとんど使わないので、栽培中の雑草取りも手作業です。この手間暇を考えると、国産のものが減ってきているのも仕方がないことなのかなと感じています」。

 

本物をつくり続けることへの
たゆまぬ努力

 「霧島食品工業」の創業者である谷口さんの義父・義弘さんは、「本物をつくり続ける」という信念のもと、まだ「食の安全性」に対する意識が高まる前から、合成保存料、着色料、香料、漂白剤などの添加物を一切使用しないらっきょう漬けづくりに取り組んできました。それは、未来の子どもたちのために本当に安心安全でいいものを作りたいという強い思いから。2代目である谷口さんも、その思いを受け継いでいます。

 「真っ白な方が見た目はいいけれど、先代の教えを守り、漂白剤を使わず自然な色のまま製品化しています。義父は早くから“食の安全性”を重視していましたが、当時、その姿勢で製造することは今よりずっと難しかったと思います。パッケージの技術や加熱殺菌の設備などが改良された現在でも、機械でできるのはほんの一部。ほとんどの工程を人の手で行っています」。

 安全で美味しいらっきょうづくりのために先代が取り入れたのが“乳酸発酵”の工程でした。らっきょうを地下から汲み上げた天然水で洗い、ミネラルたっぷりの海水塩を使用した塩水に漬け込んでじっくり乳酸発酵させることで、らっきょうの糖分とアク成分が分解されて臭みがなくなり、本来の風味とシャキシャキとした歯ごたえが生まれます。さらに、雑菌が繁殖しにくくなり、保存性を高める効果もあるそうです。「霧島食品工業」のらっきょう漬けの美味しさの秘密はここにあります。

 

排水処理に気を配り
都城の美しい自然を守る

 「土を落とす」、「塩漬けの塩抜き」、「仕上げ洗い」など、らっきょう漬けづくりではたくさんの水を使います。「霧島食品工業」では、周辺環境を守るため、1992年に微生物を使って排水を浄化する生物処理施設を設置。1日150トンの排水を処理しています。そこで発生した沈殿汚泥は、専門の業者に依頼し、発酵堆肥化された肥料にリサイクル。環境対策にも力を注いでいます。「弊社では一度工場に搬入してかららっきょうを洗い、その水を処理しています。うちぐらいの規模でここまで大きな汚水処理施設を持っているところは珍しいと思います。大淀川の排水基準値をはるかに上回る排水の処理をし、人と環境に配慮しています」。

 

らっきょう漬けの
新しい楽しみ方を提案

 「霧島食品工業」では、これまで「甘酢」や「しそ風味」、「日向夏」など、さまざまな味の調味酢に漬け込んだらっきょう漬けを販売してきましたが、2020年11月に新感覚の商品が加わりました。その名も「五月の宝石」。らっきょうが5月に収穫期を迎えることから名づけられたこの商品は、色とりどりの大粒らっきょうが一粒ずつピロー包装され、おつまみやおやつとしてどこででも気軽に楽しめます。「これまでの液漬けタイプはいったん容器に移し、取り分けるスタイルでしたが、味付け後、液なしで個包装することで、持ち歩きやすくしました。おでかけのとき、お弁当やビールと一緒に持って行ってもらえたらいいですね」。味は甘酢、ピリ辛、しそ風味の3種類。名前のとおり、キラキラと輝く宝石のような美しさです。

 

 

<編集部コメント>

何気なく食べていたらっきょうですが、栽培も加工もこんなに手間暇がかかっているのかと、びっくりしました。「霧島食品工業」の製品はクセがなくて食べやすく、どの味も美味しいのですが、なかでも私は「霧島しそ風味らっきょう」にハマりました(T)

 

塩漬けに使われる重石は特大サイズ!らっきょう栽培と加工を学ぶため、ベトナムから研修生が多数来日。彼らも日本のらっきょう漬けが大好きなのだとか

 

塩抜きしたらっきょうを一粒一粒地下水で洗いながら、土や小石が残っていないかチェックしている

 

仲睦まじい谷口夫妻。創業者は奥様のお父様。「らっきょうは“畑の薬”といわれるほど、美容と健康にとてもよいので、女性にもたくさん食べてもらいたいですね」と奥様

 

最終の製品チェック。幾度もの厳しいチェックをクリアしたものだけが商品として出荷される

 

応接室に飾られた絵は友人からの贈り物。フェルメールの『手紙を書く女』かと思いきや、手にはらっきょう漬けが!

 

ユリ科ネギ属のらっきょうは、ビタミンB1の吸収を助け、スタミナアップに役立つアリシンや水溶性食物繊維が多く含まれる。ほかにも、カリウム、カルシウム、鉄分なども豊富。そのままでも、刻んでタルタルソースやドレッシングなどに混ぜても美味

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