ヒノキ端材を利用したエコなフローリングのパイオニア「株式会社日東」|宮崎県都城市ふるさと納税特設サイト

ヒノキ端材を利用したエコなフローリングのパイオニア「株式会社日東」

 昭和26年、現在の代表取締役社長・東(ひがし)達郎さんの父・三郎さんが製材所「日東林業」を創業。昭和44年には全国初となるヒノキの端尺材(はじゃくざい)を活用した「ヒノキフローリング」の量産に成功し、全国的にその名を知られるようになった「株式会社日東」(以下「日東」)。丈夫で建築材料としても優れたヒノキは、杉と比べて成長が遅く、価格が高いため、フローリングとして使用されることが少なかったのですが、端尺材を利用した「ヒノキフローリング」は一般的なヒノキ材と同品質で金額が安いことから、その評判が徐々に広がり、昭和61年から30年連続「ヒノキ床材・壁板の生産量日本一」を達成しています。

 創業から70年。初代からのパイオニア精神を受け継ぎ、床暖房用やワイドサイズ、抗菌作用のあるフローリングなど、時代のニーズや住宅事情の変化に合わせた新商品を次々と開発してきた東さん。「創意工夫」を社是に掲げる「日東」の“これまで”と“これから”について、現社長・東さんと、2021年に社長に就任する3代目・宗一郎さんに、その想いを伺いました。

 

「もったいない精神」が
新商品開発への機動力に

 原木を板や柱にする建築用材の製材所からスタートした「日東」。創業から10数年経った頃、同業他社との差別化を模索していた初代・三郎さんが山で目にしたヒノキの根曲がり材が、会社の運命を変えることになります。

 日本にしか生息しないヒノキは、油分が多く、火起こし用に使われていたことから「火の木」と呼ばれ、水に強く、腐りにくいのが特長。古くは宮殿や神社仏閣の建築材、仏像などの彫刻材、現代では風呂や洗面所やキッチンの床材として重用されています。ところが、幹はまっすぐに伸びますが、根本が湾曲する特性があり、その部分はトロ箱か下駄にしか使われていなかったため、山に放置され、捨てられていました。三郎さんは「もったいない、何かに利用できないか」と、まだ誰も手をつけていなかったヒノキの端尺材を利用したフローリングの開発に着手。自ら工業試験場に通い、乾燥、加工技術を学び、執念ともいえる研究の結果、日本で初めて端尺材を使った「ヒノキフローリング」の量産に成功しました。

 

脈々と受け継がれる
パイオニア精神

 創業40周年を機に会社を継いだ2代目の達郎さんも、初代が開発した「ヒノキフローリング」をベースに新製品の開発に力を注いできました。達郎さんが考案したのは、床材の幅を広くして張る時間を短縮したワイドシリーズや、厚みを抑えたスリムシリーズ、隙間が目立たない床暖房用フローリングや腰壁キットシリーズなど。いずれも、これまでの業界の概念を打ち破り、自由な発想で“創意工夫”した画期的な商品ばかり。現在「日東」で製造しているアイテムの数は60~70種に増えました。
「家を継ぐつもりだったので、大学を卒業して山と木を知るために林業の会社に就職しました。いきなり山師とともに奥山に籠る生活がスタート!白飯だけの弁当に五右衛門風呂と、ぬくぬくとした学生生活からのギャップに苦しみました(笑)。

 父からは『ものを大切にしなさい』と言われて育ちました。ヒノキフローリングを開発したのもその思いからだったのでしょう。誰もやらないことを、苦労をいとわず、妥協をせずにやり遂げる姿を見てきましたから、私自身も既成概念にとらわれることなく、新商品を開発することの使命を感じてきました。売れないものもありましたが、『とにかく良いものを作れば絶対に売れるから品質だけは落としてはいけない』という父の教えを守り、品質管理には万全を期してきました」。

 

ウイルスを99.9%カット。
画期的なフローリングが誕生

 ヒノキは、合板に比べると同じ15㎜の厚みで倍以上の強度があります。「日東」では最大50㎜までの製造が可能で、これまで一般住宅をはじめ、学校や幼稚園、福祉施設などに設置されているほか、東京芸術劇場やミューザ川崎シンフォニーホールなど特別な厚さが必要な舞台などにも採用されています。

 なかでも、最近特に注目を集めているのが「エアー・ウォッシュ・フローリング」。その名のとおり、“空気を洗う床”。フローリングの上に塗った特殊な光触媒塗料が、太陽光だけでなく蛍光灯やLED照明などの弱い光が当たることで化学反応を起こし、室内のウイルスやカビ、菌などの有害物質を除去。料理の残り臭やペット臭なども消し、アレルギーの原因となる物質や床に降下した菌やウイルスも軽減。塗装が剥げない限り効果は半永久的に持続するという、まさに時代が求める、健康に配慮した画期的な商品なのです。

 「ノロ、インフルエンザ、ヒトコロナなどの各種ウイルスを減少させるため、特に幼稚園や保育園、学校からの問い合わせが多いですね。もちろん一般のご家庭でも使っていただけます。まずは使ってもらいたいので値段を普通のフローリングと同じにしています」。

 

 2021年に社長に就任する三代目・宗一郎さん。返礼品のひとつである「無垢ヒノキまな板」は宗一郎さんが手がけたものです。このまな板には、耐水性、耐久性に優れ、防菌、防カビ、防虫効果を持つヒノキの特性と、「日東」ならではの“そり”がでない乾燥技術が生かされています。また、裏面には水垂れ防止の溝を施し、肉汁などのこぼれを防止。サラダや肉などの食材を切ってそのまま盛り付けまでできるカッティングボードとしても使用でき、バーベキューパーティなどで大活躍のおしゃれなデザインも魅力です。加えて、使うほどに味が出てくるヒノキの経年変化も楽しめます。

 「祖父の代からの教えは、“自然を大切に”“木を無駄なく使う”“地域を守る”。この教えを受け継ぎ、「創意工夫」しながら時代が求めるものを作っていきたいと思っています。また、“森林伐採=環境破壊”と思っている方も多いようですが、そうではないんです。木は50~60年で伐採期を迎え、“切ったら植える”のサイクルを繰り返していかないと逆に環境が崩れてしまいます。安定した木の需要を喚起し、山を守っていくことも我々の使命だと思っています」。

 

 

<編集部コメント>

「無垢の木のように、飾らずおだやかで温かい印象のおふたりでしたが、お話を伺ううちに、失敗を恐れず新商品の開発に取り組んできた、ぶれのない芯の強さを感じました」。(編集部T)

 

創業当時の写真。「日本一の東になろう」という想いから「日東」と名付けられました

 

「ヒノキフローリング」がふんだんに使用された「ミューザ川崎シンフォニーホール」

 

つなぎ部分を斜めにカットすることで、隙間や埃が目立たない床暖房用フローリング「ぽかぽかくん」

 

「無垢ヒノキまな板」は大(横47×縦19×厚さ1.7㎝)・小(横30×縦19×厚さ1.7㎝)の2サイズあります

 

宮崎県産ヒノキの無垢材の一枚板を加工。表面には「HINOKI」のロゴが刻印されています

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