デスクワークと農業を両立。豊かな大地で育った芋類を全国へ!「株式会社PURPOSE」|宮崎県都城市ふるさと納税特設サイト

デスクワークと農業を両立。豊かな大地で育った芋類を全国へ!「株式会社PURPOSE」

 都城市出身の山野美和さんが代表を務めるウェブ制作会社「株式会社PURPOSE(パーパス)」(本社所在地・宮崎市/以下:パーパス)。山野さんのご実家は都城で江戸時代から続く農家で、今もご両親やお兄様が米や芋類などを栽培しています。

 ウェブ制作を得意とする山野さんと、農家である家族がひとつになり、自分たちの作物を全国に届けたいと生まれたのが「FUKU NO WA(フクノワ)」というプロジェクトです。そのコンセプトは「食を通じて、毎日がもっと豊かなものになるための“福の和”を世界に広げる」というもの。その活動について伺いました。

 

おいしい野菜を届けて
「FUKU NO WA(=福の和)」を広げたい

 結婚を機に都城市から宮崎市へと移住。子育てが落ち着いた頃、仕事復帰したいとウェブ制作会社に入社したことが、山野さんにとって大きな転機となりました。「子どもが生まれる前は美容師だったのですが、新しいことにチャレンジしてみたくてネットの世界に飛び込みました。その会社で10年間、ウェブ制作や通販について学び、4年前に起業したんです」。彼女が起業した同じ頃、兄・福重英和(ひでと)さんも家業を継ぐべく、都城市で農業法人「株式会社ファーミング」を設立。それぞれの道を歩き始めていました。

 「うちは長年、兼業農家でしたが、父が長年勤めたJAを定年退職した後、本格的に農業がやりたいと言いだしたんです。本人が長年温めてきた夢だったようで、兄一家も加わり専業農家となりました。でも、せっかくいいものをつくっても、卸だけだとお客様の顔も見えないし、利益も上がりにくい。それならば私が得意とするオンラインで直接野菜をお客様に届けようと家族でプロジェクトを立ち上げました」。その名の通り、豊かな食を通じて“福の和”を世界に広げていきたいというコンセプトから命名された「FUKU NO WA」。山野さんの旧姓「福重」の「福」と、兄妹全員の名前に使われている「和」の字も組み込まれています。

 

幼い頃の悔しさを乗り越えて
夢を叶えた父と歩む

 定年退職後、本格的に農業をはじめた父・福重義秀さんと母・津美子さん(写真下)。その胸中には、長年抱え続けてきた思いがありました。「父は四人兄弟の二番目なのですが、祖父や父の兄は体が弱く、食べるのに困った時があったそうです。その時、父は食べ物を分けてもらうために近所を回ったのですが、快くくださるところもあれば、嫌なことを言われるところもあって、とても悔しい思いをした。それで、自分が定年退職したら地域で一番大きな農家になる!と決めていたみたいです。この話、実は私も今年初めて知りました。子どもと実家に行った時に〈じいちゃん、昔こんなことがあってね…〉と話し出して。やっと自分の夢が叶ったからこそ、孫に話せるようになったんでしょうね」。積年の思いを叶え、大規模農家となった義秀さん。現在、義秀さんは地元公民館の館長も務め、地域の声を聞き、農道の整備などを進めるなど多忙な日々。幼い頃の辛い経験を乗り越え、充実した毎日を送るお父様の姿を見て、山野さんも改めて「一緒にがんばっていこう!」という気持ちになったそうです。

 

長年、農家を営んできたからこそわかる
知恵と工夫を作物に込めて

 現在、福重家でつくっているのは米、大根、じゃがいも、さつまいも、里芋の5種。山野さんも自ら畑に通い、セレベスという品種の赤芽の里芋を育てています。「セレベスは身も硬めで粘り気がなく、ホクホクとした食感が特徴の品種。美味しいのでうちでは昔から自分たちが食べる分をつくっていました。試しに「FUKU NO WA」のオンライン通販サイトに出してみたところ、なぜか関東圏のお客様によく売れて。聞いてみると関東ではこの品種が流通していないのだとか。〈こんな里芋を探していた!〉と喜ばれ、毎年リピートされる方も多いですよ」。

 都城で誕生したブランド甘薯「紅はるか」も主力商品。焼き芋にぴったりな「紅はるか」は収穫後、寝かせることで甘みが増すさつまいもですが、その過程で腐敗することも。しかし「FUKU NO WA」の紅はるかは納品先からも長持ちすると評判です。「うちの紅はるかは収穫してからすぐに出荷せず、一度天日で干します。こうすることで実と皮の間に膜ができ、腐りにくくなるんですよ」。「FUKU NO WA」の作物には長年、農家を営んできた福重家の知恵や工夫が込められています。

 

パソコンの前だけではなく
畑に出ることで仕事観にも変化が

 「パーパス」の仕事、「FUKU NO WA」の通販、そして実家での畑仕事と多忙な日々を送る山野さん。「パーパス」のスタッフでウェブデザイナーの田中真之介さん(写真下)も、パソコンの前でデザインに励む傍ら、山野さんと一緒に都城で農作業に汗を流しています。「まさか自分が畑に出るとは夢にも思いませんでした(笑)。でも、実際に畑に行くと楽しいです!こうした経験を通じて、生産者さんの思いをデザインに込めたいと思うようにもなりました。自分がつくったサイトで、初めて野菜が売れた時の感動は今でも忘れません」と田中さん。山野さんも「なんでも楽しんでやっていこうよ!というのがパーパスらしさ。これから全国のみなさんにもっとうちの野菜の美味しさを伝えたいですし、いつか海外にも進出したいですね」とこれからの展開にワクワクしている様子。家族やスタッフとともに、食を通して幸せの和を広げ続ける「FUKU NO WA」プロジェクト。実りの秋はもうすぐ!畑では芋たちが大きく実をつけ、収穫の時を待っていることでしょう。

 

 

<編集部コメント>

山野さんや田中さんの“デスクワークの傍ら畑仕事”というライフスタイルがなんだか羨ましく感じた取材でした。後日、あまり馴染みがなかったセレベスの新芋を都城で発見!「茹でて塩をかけるだけでも美味しいですよ」という山野さんの言葉を思い出し、塩だけで食べてみましたが超美味でした(N)

 

注文が入ると山野さんが都城に出向いて上質な芋を選び、発送している

 

畑で汗を流す山野さんと田中さん。「里芋は両親と私、田中くんの4人で栽培しています。農作業をすると、ネイルなんか1日でダメになっちゃいますよ(笑)」と山野さん

 

じゃがいもは「オホーツクチップ」というポテトチップスに向いた品種を栽培。大手メーカーにも納めている。油と相性がよく、ポテトフライやジャーマンポテトにぴったり!

 

畑は土づくりからこだわっている。父・福重義秀さんは耕作放棄地なども借り上げて、農地を広げてきた

 

「今後は焼き芋や干し芋など、加工品の開発も視野にいれていきたいですね」と山野さん

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