小売、卸し、加工品の開発。さまざまなチャネルで宮崎の畜産力をアピールする「株式会社 野上食品」|宮崎県都城市ふるさと納税特設サイト

小売、卸し、加工品の開発。さまざまなチャネルで宮崎の畜産力をアピールする「株式会社 野上食品」

 「宮崎牛」や「宮崎ブランドポーク」「みやざき地頭鶏(じどっこ)」など、宮崎が誇る稀少価値の高いお肉を扱う「株式会社 野上食品」(以下:野上食品)。創業から18年(法人化して16年)、一貫して高品質な商品を提供し続け、お客様から信頼を得てきました。今年4月には直営店舗「肉の野上」を大幅リニューアル。明るくカフェのような雰囲気に変身し、“美味しくオシャレなお肉屋さん” として親しまれています。また、都城市のふるさと納税でも人気の返礼品を続々と誕生させるなど、常に新しいチャレンジを続ける野上食品。社長の野上幸平さんにお話をうかがいました。

 

完売するまで帰れない!
自分を追い込み、必死で営業

野上食品の創業は2004年。食肉加工会社で10年ほど働いた野上さんが、冷蔵トラック1台だけで起業しました。当時は仕入れも、カットも、営業もすべてひとりで行う日々。トラックに積んだ肉を持ち帰っても、保存しておける業務用冷蔵庫がなかったため、売れ残りは許されず、すべて売り切らないと帰れないという状況でした。

野上さん:独立は29歳。勢いだけで何も考えてなかったんでしょうね(笑)。仕入れて売ればなんとかなる!くらいの気持ちでした。営業先に行っても、自分は新参者だったので門前払いされることもありました。でも、うちの肉を見てもらえば良さをわかってもらえると信じていました。

こうした毎日を過ごした結果、取引先も徐々に増えていきました(もちろん冷蔵庫も購入!)。ある日、野上さんのもとに、都城市内の給食センターから、肉の納入業者選定の入札に参加しないかという連絡が入ります。

野上さん:地産地消で素材を地元調達したいという意向だったのでしょうが、話を聞いてみると、肉は塊ではなくカットした状態での納品が求められていたので、それを機に急遽工場を建てました。お陰様で無事に納入業者になることができました。

2012年には工場も移転し、現在はスタッフも28名に増え、順調に成長を続けています。 

 

一頭買いで自社加工
お客様のニーズに合わせて細やかに対応

野上食品では牛肉を一頭買い。縦半分に切った「枝肉」の状態で仕入れ、工場で部位ごとにカットしています。牛の骨抜きは重労働で、職人技が必要となりますが、ここでは毎日5頭分をこなしています。骨抜きした肉は部位ごとにカット。小売店や飲食店の要望に合わせた切り方にも対応しています。

野上さん:枝肉で仕入れ、自社で加工することでリーズナブルに提供できるんです。〈宮崎牛〉は厳しい基準をクリアした素晴らしい牛肉ですが、うちではそれだけにこだわらず、いい牛を育てる牧場と提携し、直接仕入れた牛肉も提供しています。

長く食肉業に携わってきたことで培われた「肉の目利き力」によって、確かな品質のお肉を仕入れられるのも野上食品の強さです。都城市のふるさと納税返礼品でも、赤身ブームになる前から宮崎牛赤身6種の盛り合わせを展開。カットするのに手間暇がかかると言われているとうがらし、ウデミズジ、ウデ三角、ウデクリ、ウデ赤身、ウデカルビの6種の食べ比べが楽しめ、人気となっています。

 

コロナ禍で加工品製造にも着手
いずれも精肉店ならではの贅沢な味わい

コロナ禍で打撃を受けた飲食業界。野上食品も取引先への納品がストップしたことで、肉の行き場がなくなり、外部冷蔵庫のレンタルを余儀なくされる事態に陥りました。そこで野上さんが考えたのがカレーの開発。

野上さん:牛すじがたくさん余ってしまったので、これでカレーをつくったら美味しくなるんじゃないかと。牛すじといっても〈宮崎牛〉の牛すじですから、その美味しさは格別です。何度も試作を重ねてコクのある黒いカレーを完成させました。

袋を開けると大きなお肉がゴロゴロ入っていて、ソースにも肉の旨味がたっぷり!まさに “お肉屋さんがつくった贅沢なカレー” といった印象です。また、宮崎牛の生ハムも人気商品。1ヶ月塩漬けにしたもも肉を、さらに1ヶ月かけて乾燥させた生ハムは宮崎空港などでも販売され、新たな宮崎名物として注目されています。

野上さん:豚の生ハムはメロンと相性がいいですよね。うちの宮崎牛生ハムはマンゴーと相性がいい。最強の宮崎産タッグです。

なんと贅沢!マンゴーの時季にぜひ食べてみたいものです。

 

いつか自分たちで牛を生産し
日本の食肉文化を守り続けたい

一代で事業を広げてきた野上さん。その目線の先にはどんな景色が描かれているのでしょう?

野上さん:いつか従業員とともに牛を育て、命のありがたみや仕事への愛情を分かち合いたいですね。今までは「売る」ことに力を入れてきましたが、畜産人口や牛の頭数は確実に減ってきているので、今後は「育てる」や「仕入れる」ことに力を入れていかないと、和牛文化が衰退してしまう。日本で育てた美味しいお肉を普通に食べられるという日常を守っていきたいですね。

野上さんは日本の畜産業界がこれからも長く続いていくために、いずれは牧場経営も視野に入れています。さらに野上食品では、都城市内の「こども食堂」に毎月お肉を提供しています。

野上さん:サポートを必要とする子どもの数がゼロになる日を願わずにはいられませんが、自分たちにできることがあればとお手伝いさせてもらっています。地元の美味しいお肉を、少しでも地元の子どもたちに食べてもらいたいですね。

地域に貢献しつつ、畜産王国・宮崎の一翼を担う野上食品。これからもその目利き力で、いいお肉を届けてくれることでしょう。

 

 

<編集部コメント>

宮崎県内はもちろん、東京の焼肉店などにも取引先を広げている野上食品。野上さんは毎月上京して営業活動・販路開拓なども行っているそう。考えられる様々な手段で取引先を開拓するその知恵とパワー、私も見習いたいものです。(N)

 

宮崎牛もも肉の生ハム。冷凍状態から解凍後、約5分ほど常温に置いてから食べると、甘みが増した状態を楽しめる。ふるさと納税返礼品にも提供されており、人気上昇中!

 

木の床と壁にレンガと、オシャレ感漂う「肉の野上」。

 

ショーケース横には、カプセルトイのマシンもあり、税抜3000円以上の利用で1回トライ可能。お肉や値引き券などが当たる!

 

お店で一番人気となっている牛のタレ漬け。

 

鶏肉は「みやざき地頭頭」のほか、「桜姫」などのブランドも扱っている。

 

「極上の肉質ときめ細やかなサシ、脂のほのかな甘みが〈宮崎牛〉の特徴です」とマネージャーの細山田直之さん。

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