どんな時代も美味しさを貫き、長く愛される味を!「有限会社タケモリ」|宮崎県都城市ふるさと納税特設サイト

どんな時代も美味しさを貫き、長く愛される味を!「有限会社タケモリ」

 宮崎県の名物料理として真っ先に名前が上がる「チキン南蛮」。家庭でつくられることも多く、南蛮酢やタルタルソースはその家ならではの “わが家の味”があるのだとか。そんな「チキン南蛮」にはちょっとうるさい宮崎県人から「これは美味しい!」と人気なのが「有限会社タケモリ」(以下:タケモリ)のタルタルソースです。代表取締役の竹森宗治(むねはる)さんはお母様がつくっていた味を再現し、タルタルソースを完成。誰が食べても美味しい普遍的な味として、ロングセラーとなっています。

 

地元の名士になりたい!と起業。
バブルの波に乗りつつ、
家庭用から業務用へと事業を拡大

 高校を卒業後、大手食品メーカーに就職し、奈良県勤務となっていた竹森さん。7年目を迎えようとした頃、故郷に帰ることを決意します。「私は昔から〈大人になったら、地元で名の知れた人物になりたい!〉という夢を描いていました。会社に不満はありませんでしたが徐々に責任も大きくなり、このままだと簡単には辞められなくなりそうだと思ったので、キャリアを生かして食文化の豊かな都城で起業することにしました」。当時、竹森さんのお兄様も独立を意識しており、兄弟で力を合わせて会社をつくろう!と起業。食品卸業からスタートし、料理上手だったお母様の力を借りて惣菜の製造なども手がけるようになりました。「当時はバブル期で、取引先につくったものを持っていくと全部売れていましたよ」。しかし、バブル崩壊とともにその状況は一変。主な取引先だった小売店の売り上げが下がってきたことから、家庭用だけではなく業務用商品も増やし、大口の取引先を探すことになりました。

 

流通の仕組みもわからないまま
飛び込み営業も臆さず

 販路を広げるべく、営業をはじめた竹森さんが最初に飛び込んだのが大手スーパー。「いきなりお店に行って、店長さんに〈うちと取引してもらいたい〉と伝えたら、取り扱いを決めるのはバイヤーだから本部に連絡してほしいと言われました。業界の仕組みが何もわかっていなかったんですね(笑)。早速、バイヤーに連絡してうちのチキン南蛮を食べてもらったところ、味を気に入ってもらえましたが、今度は〈直接の取引はやっていないから問屋さんを紹介するよ〉と。なるほど、そういう仕組みになっているのかと初めて知った次第でした」。竹森さんは惣菜に強い食品問屋を探し、取引をスタート。会社は順調に成長していきましたが、起業から20年が経った頃、竹森さんは自分ひとりで新たな道を歩くべく独立。「有限会社タケモリ」を起業しました。

 

母の味を大切に守り、伝える。
自分の足で稼ぐしかない!と東奔西走

 もともと保育園だった築50年超えの物件を購入し、奥様とふたりでスタートした「有限会社タケモリ」。雨漏りするような建物を自ら修理し、夫婦ふたりの多忙な日々が始まりました。一番最初につくったのが「タルタルソース」。「うちのタルタルソースは母の味を再現して生まれたんです。わが社のコンセプトは “母の味”。母親は子どもたちに手間隙をかけても美味しくて身体にいい料理をつくりますよね。私たちも細かな作業を省かず、丁寧に質の高い商品をつくることを常に忘れないように心がけています」。取引先を探すべく、竹森さんは出来上がったタルタルソースを車に積み、九州各県はもちろん関西まで東奔西走。断られても「一度、お店で試食販売をさせてください!」と食い下がり、実績をつくることで取引を広げてきました。土日は店での試食販売、平日は営業と製造…、ほとんど休む暇もなく働く日々が続きましたが、1年半後にようやくスタッフ1名を雇用。創業から18年経った現在は社員16名までに成長しました。

 

厳しい時代になっても味だけは譲らない。
経営努力で果敢にチャレンジ!

 「タケモリ」のタルタルソースは国産玉ねぎや九州産卵など、国産原料が使われています。「食品メーカーとして食の安全・安心を守っていくのは基本です。うちは小さなメーカーですので、大手のようにどんどん新商品を出すということはできません。1年に1品くらいが精一杯。だからこそ、長く愛される商品をつくっていかなければと思っています。お客様がリピートしてくださるからこそ、商品の価値がある。昨今のさまざまな価格高騰は苦しいですが、絶対に質だけは落とさず、味を守っていきたいですね。ロングセラーだけに頼らず、新商品の開発にもチャレンジしていきたいと思っています」。厳しい時代の中でも、なんとか“母の愛情”が込められた商品を提供し続けたいと語る竹森さん。今後「タケモリ」からどんな新商品が登場するのか、楽しみです。

 

 

<編集部コメント>

営業のためにスーパーに飛び込んでみる。一度ダメだと言われても食い下がって次の手段を考えてみる。新しいことを始める時、臆さずに飛び込んでみる勇気や諦めないことの大切さが伝わってきた取材でした(N)

 

工場では1日2トンのタルタルソースを製造。原料の下処理から調理までできる限り人の手で行っている

 

「食卓に美味しい食材を提供し笑顔と喜びの絶えない家庭の幸せを追求して参ります」と書かれた会社理念は竹森さん作

 

業務用のタルタルソースの充填作業。ひとつずつ目で確認しながら、進められる

 

専門スタッフによる品質検査も行われている

 

都城市ふるさと納税返礼品となっているごぼう天も製造している

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