タルタルソースから加工食品まで独自のアイデアで勝負する「ネオフーズ竹森」|宮崎県都城市ふるさと納税特設サイト

タルタルソースから加工食品まで独自のアイデアで勝負する「ネオフーズ竹森」

 宮崎のご当地グルメといえば、チキン南蛮が有名です。この名物料理に欠かせないものといえば、タルタルソース。おいしさのカギを握る存在でもあります。

 このタルタルソースで、全国的なヒットを生んだ会社が、ここ都城にあります。それが、「ネオフーズ竹森」です。いまやタルタルソースだけでなく、さまざまな加工食品を生み出し、居酒屋やレストランでも提供されています。日本中、多くの人々に愛されるおいしさのヒミツを探るため、加工工場にお邪魔しました。

 

【クリスマスチキンの注文は、毎年1万本】

 10月下旬から、工場ではすでにクリスマスチキンの準備で大忙しでした。味を染み込ませるため、骨付きもも肉に切り込みを入れて、タレにつけ込みます。そしてスチームオーブンで焼き上げ、冷凍。毎年、このシーズンには1万本を仕上げます。

 

「クリスマスチキンには、しょうゆベースのタレ味のほか、スパイス風味もあります。これからクリスマスに向けて、1日400から600本のペースでつくっていきます。やはり竹森の“味”が好まれているんでしょうね。ソースで人気が出た会社ですから」と、教えてくれた副工場長の下沖亮太(しもおきりょうた)さん。

 

 そう言う下沖副工場長も、実は、入社前から「たけもりのマリネソース」が大好き。ご実家の冷蔵庫には、いつもマリネソースが入っていたと言います。「野菜の上に生ハムをのせて、そこにマリネソースをかけると、バツグンにうまいんです」

 では、下沖副工場長の“いま”のお気に入りは? この質問に、
「それは、新商品の『おつまみ鶏皮』です」
 と教えてくれました。

 

 鶏皮に味をつけて、カリッカリに揚げたスナックのような一品で、ビールにぴったり。新しい宮崎のお土産としても人気急上昇中です。

 

【この工場で製造できるのは、およそ100アイテム】

 「おつまみ鶏皮」の製造工程を見せていただいて、驚きました。素材は、本当に鶏皮だけ。じっくりと揚げて、パッケージに詰めます。素材だけをみれば総菜なのですが、見た目はスナック。口に入れると、カリッ、サクッとして、鶏皮の旨味がします。

 この工場でつくっている商品は、およそ100種類。そのなかの半分程度が、メインとなる主力商品だといいます。
 しかし、これだけ多くの商品を生み出すヒミツは、どこにあるのでしょう。

 

【ヒットの陰に社長のアイデアあり】

 新しいアイデアの多くは、竹森兼富社長から生まれます。そのアイデアを形にする開発メンバーは2人。3人で試行錯誤を繰り返していきます。試作品は、社員全員で試食して、商品化をするか判断します。その席で、あえて竹森社長は感想を言わないのだとか。社員の率直な意見を聞くためだといいます。

「実際、商品になるのは、アイデアの100分の1ほど。いくらおいしくても、価格はもちろん、ネーミングからパッケージまでうまくいかなければ、商品化は難しい。年に1つでも商品化されれば、上出来です」
 商品開発に力を注ぐ、アイデアマンの竹森社長です。

 そんなネオフーズ竹森の誕生は、意外にも卵の卸業だったといいます。どれだけ丁寧に扱っても、いくつかの卵は運送過程で割れてしまいます。それを捨てるのはもったいない。そこで思いついたのが、割れた卵を調理することでした。卵焼きや巻寿司をつくって店舗に納めていったといいます。

 

 そのうち、加工の対象が卵から鶏肉へと移り、唐揚げやチキン南蛮の試作をはじめました。調理役を買って出てくれたのは、竹森社長のお母さんや近所に住む主婦のみなさん。チキン南蛮をつくるなら、当然、タルタルソースも添えなければなりません。その味の基本となったのは、竹森社長が食べ慣れた“おふくろの味”でした。

 タルタルソースを市場に出すためには、ある程度の日持ちが絶対条件。コストパフォーマンスも問題になります。そんなすべての条件をクリアするために試行錯誤をくり返し、竹森家の味を再現したタルタルソースは完成。チキン南蛮とともに、売り出されます。

 

 発売してみると、タルタルソースが大好評。ここから、「ネオフーズ竹森」の歴史がはじまります。平成5年のことでした。
 やがて、タルタルソースは全国的にも人気を集め、表彰されるに至ります。北海道から沖縄まで、注文も入るようになりました。

 

【誰からも愛される味をめざして】

 竹森社長は言います。
「老若男女を問わず、多くの人に愛される商品をつくりたい」

 誰からも愛される味。それこそが、竹森社長の原点である“おふくろの味”なのかもしれません。
 はじめて食べるのに、どこか懐かしい。それでいて、簡単に真似できる味ではない。
「竹森の味」は、今日も、日本中の食卓に笑顔を運んでいます。

 

〈編集部コメント〉

 山に向かってのびる上り坂の途中に、「ネオフーズ竹森」さんの工場はありました。場所を間違えていないか、おそるおそるドアを開ける私たちに「こんにちは!」と、晴れやかな声をかけてくれた事務所のみなさん。なんてステキな会社なんだろう。私たちは一気に、ファンになりました。
 その後も、対応してくださるみなさんがとても誠実。一つひとつの質問に、真摯な姿勢で応えてくれます。帰り際には、事務所のみなさん全員が立ち上がって、お見送りしてくださいました。「ありがとうございます。恐縮です」と頭を下げながらも、とても清々しい気持ちになりました。

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